2011年7月27日水曜日

熟成酒飲み比べ☆富士酒造、千代酒造、永山酒造

海の日に熟成酒を3種類飲みました。

飲んだお酒は、
・富士酒造のありがとう本醸造8年古酒を自家熟成で6年貯蔵
・千代酒造の秋晴れ純米3年熟成で3年貯蔵
・永山酒造の山猿純米4年自家熟成
です。





それぞれ購入には、思い入れがあった品です。

飲むのが、楽しみな3本でした。

さて味ですが。。。
富士の古酒は、出荷時から適度に熟成されていてなかなかの品だったのですが。。。
個人的には、もう少し熟れた感じが好みだった事もあり更に熟成させる事にしました。
このお酒は、本醸造の火入れの品ですが。。。
蔵で冷蔵保存されていたので8年と言ってもそう老ねた感じもなく熟成酒初心者にも飲みやすい品かと思います。

それを押入で熟成させながら数本飲んでいきましたが。。。
味のピークは、4年目くらいが最高だったように思います。
今回の品は、秘蔵酒などと言われる商品同様に茶色い色と共にこれっ日本酒?と思う味になっていました。
一般的に紹興酒のような味と例えられていますね。
ただ紹興酒の年代物と比べて美味しいかと言うとかなり微妙な感じがします。
この手の秘蔵酒は、蔵にもよりますが1升10000円くらいの価格も珍しく無いですから。

。。
値段に見合う味かと考えるとそう思えない品が多いようです。

この時の味は、紹興酒まで濃くなかったですが。。。
1/3くらいの香りの濃さでした。
口に含むとかなりの甘味を感じます。
味醂の1/4くらいの感じでしょうかね。
まったりとしてこれは、これで美味しいのですが。。。
夏の暑い時には、あまり向かないかも知れないですね。

さて続いては、千代のお酒です。
この蔵は、新酒に渋みを感じるので個人的に熟成させて飲んでいます。
不思議と3~4年熟成させると銘酒になるのが多いように思えます。

このお酒も購入した時には、3年蔵熟成の品だったのですが。。。
まだアルコールの荒さも残る感じでしたので。。。
更に熟成させる事にしました。

こちらは、かなり良い感じに仕上がっていました。
香りは、1/5くらいの香りの濃さでした。
口に含むと濃厚で口全体でお酒が主張しているような感じがしますが。。。
その後の引き際は、なかなか良いので。。。
飲み飽きしなで沢山飲めるお酒でした。

千代のお酒は、生酒も火入れの品も熟成させると美味しくなる品が多いので。。。
一度熟成させてみようと思われる方は、この銘柄でお試しされると良いかと思います。

さて最後は、永山の純米酒です。
このお酒は、穀良都(こくりょうみやこ)と言うお米を使ったお酒です。
このお米は、100年ほど前に使われていた品種で作り難さからどんどん作られなくなったのですが。。。
酒蔵さんが、このお米を地元農家さんと共に復活させて製品化したお酒なんです。
さてどのような熟成感になっているか楽しみな品でした。

匂いは、購入時から穏やかな香りでしたが。。。
そのままの印象を受けます。
口に含むとまずは、100年前のお米を復活させた人達へのロマンを最初に感じる事になります。
感慨深くなりながらじっくり味わいます。
味は、かなり熟成の進んだ状態で濃厚でどっしりしています。
日本酒と思えるギリギリのラインでは、無いでしょうか。
更に進むと紹興酒のようになりそうです。
このお酒は、早急に飲んでしまった方が良さそうです。
あと数本あるので当分これを飲む事になりそうです。

3種類の熟成酒を味わいながらの夜は、贅沢な時間となりました。
これぞ自家熟成の醍醐味だと思います。

皆さんも是非熟成酒作りにチャレンジしてみて下さいね。

2011年7月5日火曜日

日本酒の熟成酒を育てよう~

最初に市販されている日本酒の熟成商品についてです。
一般的には、古酒と表示される商品です。
その他にも秘蔵酒などいろいろな言葉を使った商品がありますが。。。
個人的には、熟成期間と熟成方法で明記してもらった方がありがたいと思っています。
それが1番わかりやすいと思うのですけどね。
どうなんでしょうね。

さてここでは、自家熟成を育てようなので。。。
少し熟成についての基本的な事を抑えておきましょう。

熟成の効果:
基本的にまろやかな口当たりになります。
また保存状態により独特の香りや色を付ける事もあります。
この変化を嫌う日本酒愛好家もいらっしゃるようですね。

貯蔵期間:
1年未満なら古酒表示もされませんが。。。
”ひやおろし”なんて商品も熟成酒の部類になるでしょう。
この酒は、秋晴れする酒だねって言われる銘柄があり。。。
新酒より秋くらいに飲むと美味しいねって事なんです。
このような銘柄は、貯蔵に向くお酒だと思います。

貯蔵方法:
家庭で貯蔵する場合には、常温貯蔵か冷蔵庫貯蔵になります。
但しお酒は、紫外線が苦手です。
常温貯蔵でも押入などに貯蔵するのが、望ましいですね。
さらに大きなクーラーボックスに入れておくと最高かと思います。
温度変化があまり無いですからね。
冷蔵庫貯蔵も日本酒用に小さなのを1つ用意出来るといいですね。
冷蔵庫は、ドアを開けると明かりがつきますよね。
あれも好ましくないのでお酒を新聞紙で包んで入れておくと良いですね。


これらの組み合わせによりいろいろな熟成酒が出来る事になります。

ここで本題の何故自家熟成させるのか?

個人的に熟成酒が好きなのは言うまでも無いのですが。。。
普通に考えると酒蔵の出すお酒は、最適な期間(1番美味しくなる)で出荷されていると思われますが。。。
実際には、早く現金化する必要などもあるため一概にそうも言えないように思えます。
また熟成酒を造る蔵でも売れ残ったので熟成されてみたと言った品もあります。
特に小さな蔵の場合には、冷蔵熟成が設備の問題で難しかったりするようです。
それでも熟成酒が飲んでみたい私としては、自分で熟成させるしかないなと考えるようになりました。

新酒を飲んでアルコールのツンした感じやピリピリした感じを体験した方は、少なくないと思います。
そのピリピリやツンとしたのが、無くなると良いのにと思った事は無いでしょうか?
そんな時に冷蔵庫貯蔵で貯蔵する事でこれらを和らげる事ができます。
また本醸造酒や純米酒でも一体感が無い荒さのある味の時に貯蔵すると良いと思います。
初めて熟成される方は、生酒と吟醸酒を冷蔵で純米と本醸造は常温にすると良いかと思います。
また端麗な軽い味わいのお酒は、あまり熟成に向かないと思います。
熟成による香りなどが、元の商品の特性を消してしまうからです。また端麗な味わいの品は、熟成により濃縮した味にもあまりならないようです。
 
でも自家熟成にタブーはありませんので。。。
それでも試してみたい方は、チャレンジしてみて下さいね。
それが自家熟成の楽しみですからね。
これはと思う品を是非熟成して楽しんでみて下さいね。